新しいライフスタイルを提供し、地域社会に貢献するコンビニエンスストアの新業態 その弐

では、CVSがデリバリーを行い+αのサービスの受付を行う上で、CVSと消費者にどのような利点があるか具体的に考えてみる。


 現在、CVSが扱っているサービスの中にゆうパックや宅急便の受付がある。
店舗の少ない郵便局や宅急便集荷営業所に代わって、店舗の多いCVSが集荷の受け付けをするというもので、CVSとしては荷物を店舗にもってきてもらうことで来店頻度を上げ、「ついで買い」を増やそうというものだ。
CVSが取り扱っている小売以外のサービスの中で、最も利用される頻度の高いものと考えられる。
このサービスがデリバリーと連携した場合、顧客が今までCVSまで荷物を持ってこなければならなかったところを、デリバリーで自宅やオフィスに来たクルーに渡すだけで済むのだ。
忙しかったり、荷物が重かったり、時間と手間を省きたい人にとってニーズの高いサービスとなりうるのではないだろうか。
同様に、現在行われている写真の現像サービスも、自宅やオフィスでクルーに渡し、次のデリバリーで出来上がりのものを持ってきてもらうことができる。
もちろん今までどおり店頭での受け渡しが可能のままでも良いが、店頭では「ついで買い」をしないケースもしばしば見られる。
その点、デリバリーサービスは商品購入配送+αのサービスとすることで、顧客にとって購入商品が無くても、時間と手間のために利用する可能性がある。そのため、CVSにとっては一定額以上の販売が見込めることになる。


 次にレンタルビデオの場合だが、現在ライブドアの「ぽすれん」やTSUTAYA DISCASが宅配によるレンタルビデオサービスを行っている。
ネットで予約し郵便でレンタル商品が届き、返却はポストへ投函するだけ、というサービスだ。
これは今まで、商品をレンタルするときに店舗まで借りに行って、見終わった後また店舗まで返しに行かなければならないところが、宅配と郵便返却で済むのでかなりの手間を省くことができる。
このサービスはそのままでも便利な宅配レンタルサービスだが、CVSと連携することでさらなる集客が見込めるのではないだろうか。
現に、コンビニにあったら利用したいサービスに多く挙げられるものの中にはインターネット、住民票に加えてレンタルが入っている。


またクリーニングもCVSデリバリーと提携することで利用者の拡大が望め、地域社会に貢献できる可能性がある。
クリーニングを利用する上で不便な思いをするのは、持って行って終わったらまた取りに行かなければならない手間と、遅くなって営業時間外だったときだと考えられる。
しかし、24時間のCVSデリバリーがクリーニングの受付と仕上がりの宅配を行うことで、手間を省くと共に、クリーニング店の営業時間外も受付や受け取りができる。
現在ではFamily Martが一部都市圏の店舗で、クリーニング取次ぎサービスを行っており、この流れは順次拡大していくことが予想される。


他にも、岐阜県で行われている、コンビニ図書デリバリーサービスが挙げられる。
このサービスは、行政(岐阜県)とコンビニエンスストアが協働して、ふだん開館中になかなか利用できないビジネスマンや、遠隔地の方々にも県図書館をもっと活用してもらおうと2003年2月に始まったサービスだ。
このサービスはデリバリーと銘打ってはいるが配達はCVSの店舗までで、自宅までの配達ではない。
やはりデリバリーと称するなら自宅まで配達してもらえるようなサービスで、育児などで忙しいとき、病気やケガで外出できないときのニーズに応えられるのではないだろうか。





参考:
コンビニ図書デリバリーサービス(http://cds.library.pref.gifu.jp/index.php
livedoor ぽすれんhttp://posren.livedoor.com/
TSUTAYA DISCAShttp://www.discas.net/d/d/s?ap=c_top
クリーニング取次ぎサービス|Family Mart(http://www.family.co.jp/services/cleaning/index.html
サンケイリビング新聞社:OLマーケットレポート|コンビニについて(http://www.sankeiliving.co.jp/ol_report/c_ol_23.shtml#q6



問題点は書ききれなかったので次回にまわす。
大まかにはこれらのサービスを行う上でのフォーマットが整っていない(体力が無い)こと。
(収納スペース、配送ツール、クルー育成など)



あと反省点、全体的にCVSデリバリーにこだわりすぎた。
デリバリーでなくても十分ニーズのあるものがほとんどのような気がする。




ふと思いついたが、サービスを利用してもらうためのパンフレットをサービス毎ではなく、CVSで利用できるサービス一覧みたいなカタログ形式にすればよいと思う。



他にもいろいろと出てきそうなので、一通り書いたら読みやすいように、推敲して改訂版をつくる必要がありそうだ。