終わり無き挑戦

日曜日に大学会館で室伏広治の講演があった。


「ミュロンのディスカスロワーが私の求めるアスリートの理想像です。」
と彼は言う。


さて、この像の何をもってアスリートの理想像というのであろうか。


鍛え抜かれたカラダか。
技術的に違うことのないフォームか。


彼は続ける。


「この像の表情を見てください。普通、いま正に投てきを行おうとする選手の表情は、肉体の限界に耐え顔をゆがめるか、興奮した表情になると思います。しかし、この像の表情はあたかも部屋でくつろぎ安らいでいるかのように穏やかです。そこには競争相手や記録更新といったものはなく、投げることに何か大切な意味を見出した一人の人間の姿があるだけです。このような心持で投てきを行えるような選手になることが私の理想です。」


他人との戦いではない、記録との戦いでもない、それを戦いと呼ぶには不適切だ。


ただ理想の境地を追い求めるアスリートの姿勢は、ただ


美しい


と、しか言いようがない。


To be continued