的を広げる!?

ハンマー投げの動作は生活の中にあるどの動きに似ているのだろうか。


答えは


投網


である。


ハンマー投げの予備動作(スウィング)と投網の動作を比較したときに、ほぼ同じ動きをするカラダの部分がある。


下半身の重心移動だ。


投網の動作では網を広く投げるために、カラダの重心を前後に揺らし(重心を左足と右足に交互に移動させ)岩=網のおもりに慣性力を与える。
同じようにハンマー投げの予備動作でも、重心を左足と右足に交互に移動させることでハンマーに慣性力を与えるのだ。


このことを室伏選手は床反力という言葉を使い説明していた。
ハンマー投げの予備動作と投網の動作の時の、左右の足が床をけるときの力をグラフに表すと、それぞれの床反力はsinとcosのグラフのようにリズムよく入れ替わる。


このリズムよく、というのが一つ一つの床反力が同じ強さでも反復運動を繰り返すことでハンマーや投網の運動力を増幅させる要因だそうだ。


実際に室伏選手は会場で投網を実践してくれた。


練習に取り入れているというだけあってなかなか上手だった。


体験者を募るということで、2人投網の初心者が室伏選手に指導してもらい網を投げていたが、やはり室伏選手に比べるとやや劣る程度だった。


3人の動作を見比べてみると、やはり重心移動で大切なのはひざの使い方であると思った。


さらに室伏選手が続けて言うことには
「投網は投げる瞬間、ある一点を狙って投げるのではなく、拡散的なイメージを持って投げるとうまく投げることができる。ハンマー投げも同様に投げる方向一点を狙って投げるのではなく、一点を基点に拡散的な狙いを定めて投げると良いことに気づきました。」


なるほど、狙いを定めることは投てきにおいて重要なことの一つだが、ポイントを絞って狙うのではなく、逆に拡散させることで投てきを安定させることができるというのは大変興味深い内容だった。


To Be Continued

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