春や昔

すべての意識が「藩」から出発しており、自藩の微弱さをおもうとき、薩長が呪わしく、反面、自藩の不振がなげかわしく、議論がそこにいたると身も世もなくなるほどに興奮するものらしい。この熱気や競争意識が、いわばこの時代のエネルギーのひとつになってさまざまに形を変えつつ時勢を沸騰させているのであろう。

忙しい、忙しいと言いつつも本を読み始めた。

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

1日1章を目安に、その都度感想でも書こうかな・・・という、ネタ不足解消の一手。


引用したところに関して少し。
故郷というのは何につけても気になることだ。何県出身の有名人だったり、甲子園で地元校を応援したり。
北海道や沖縄の人に郷土愛の強い人が多く、どこに行っても県人会などがあることを考えると、この傾向は地方であればあるほど濃いもののように思える。
そこにあるのは中央の洗練されたものに対する劣等感と、地方にしかない独特な趣に対する誇りの入り混じった感情だ。
移動手段が発達し、国境などの様々な境い目が希薄になった現在でも、時代を動かすエネルギーは、郷土愛や母国愛であってほしいと思った。