不健全な肉体には強固な精神が宿る
大学1年生の頃レクリエーションでドッジボールをしていたとき、俺の渾身の一球をキャッチされて(やるなコイツ!)とか思って、次の一球はセンターラインぎりぎりで踏み切ってジャンピングショットを「死ねーい!!」と決めてやった。見事アウトで「ヨッシャ」とか言ってると後ろからひそひそと声が聞こえてきた。
「ね、ね、今死ねって言ったよ。」
「うん、言ったよね。」
・・・ちょ、待ってくれよ。
野球でもバントとか犠牲フライで死ぬっていうだろ。一緒一緒〜。要は「アウトになれ」ってことで仮想的な「死ねい」ってことで生命活動を停止する「死ぬ」とは別のことなんだよ〜。
という言い訳をゲーム中に言うわけにもいかず、なんだか野蛮な人というレッテルを貼られてしまったような思い出がある。
話は変わって最近見た映画。
- 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
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話の展開が進み、レイの音楽が新しいものに変わるたびに「今度アルバム借りてみようかな」と思ってしまう、観ているだけで元気がもらえるとても良い映画だった。
実際のレイ・チャールズがどんなだったか知らないけど、独特に体を揺らすしぐさが特徴的で主役を演じるジェイミー・フォックスがなかなか良かった。
失明、ヘロイン中毒、黒人差別がサブテーマとして据えられていたが、いつも音楽がレイのチカラとなって支えてくれる様子が描かれていて、それらの困難を克服する過程は想像を超える厳しいものに違いないのにそれらのシーンは少なく、逆に演奏やレコーディングでレイが心の底から楽しんでいるシーンの多いことから、この映画のメインテーマが音楽に他ならないということが分かる。
健全な肉体に健全な精神が宿る
という言葉があるけど、レイの音楽が人々を楽しませ、黒人差別に変化をもたらしたことを思うと、むしろ五体満足で日々の生活に恵まれている人のほうが他人の不幸や悩みに思いが至らず、精神的に未熟なのではないかと考えさせられた。
「一人前の人間」なんて誰が決めるんだ
人間に・・・「標準」なんてものを作るから・・・世の中が「標準」の速さで歩いている・・・だから・・・足の弱い者はわきにどいてろって言うのか・・・?
あんたはさっきその娘を半人前だと指したな
もしあんたの片足が無かったら あんたは何人前になるんだ?
- 作者: 岩明均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/05
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ちょっとテーマが違う感じもするけど、岩明均は一番好きな漫画家でその価値観はとても共感できます。